医療人類学を学ぶために

「グラストンベリーの女神たち」
河西瑛里子(著)/法蔵館/2015年/¥3,500+税
- 関連する医学分野:
- 癒し、女神
- 想定される読者:
- 実践者にお勧め(予備知識がなくても読める)
- 内容紹介:
傷ついたとき、落ち込んだとき、そしてふと寂しくなったとき。そんなとき、あなたを気にかけてくれている人々がいることを思い出し、ほっこりした気持ちになったことはないだろうか。本書では、そのようなつながりを求める人たちの中でも、「オルタナティヴ・スピリチュアリティ」に関心をもつ人々に焦点を当てている。
ここでは、オルタナティヴ・スピリチュアリティをキリスト教以外の形で神様のような超越的な存在と関わったり、そのような力を感じたりするような生き方としておこう。つまり、広い意味で言えば宗教の1つだ。
宗教と医療は、科学的か否かという点から見れば対極にあるのかもしれない。しかし、病は気からというように、信仰が身体の状況を左右することもある。この観点に期待をかければ、信仰を共有する人々の間に生まれるつながりのあり方を考察した本書は、医療に携わる人々にも、何らかの示唆をもたらしてくれるのではないか。筆者はつい、そのように願ってしまう。
なお、本書の舞台であるグラストンベリーという町は、いわゆるパワースポットとして知られている。このような領域に関心がある人には、ぜひ目を通していただき、ご意見を賜りたい。